フリースクールのレビュー

銀行は「仲間」を表すラベル(野球のクラブとか、組合のロゴ、あるいは航空機の優遇制度)をクレジットカードに付けるのに、金を払っているのだが、価値貯蔵カードなら額面通りで広告業者に売れるのである。
デンマークの「ダンモント」カード(米国のV・キャッシュの技術はここから来ている)のメーカーによると、使い捨てカード自体の製造コストの半分は広告業者が払っているという。 商店はカードの再ロード可能なメモリーを、H誠実度を調べるのに利用している。

この種のシステムのパイオニアはフランス人だ。 フランスでは最初から、価値が減少するだけの磁気帯ではなく、ーC内蔵のシリコン・ウエハーのスマートカードを使った。
これは、メモリー・チップ内蔵の「読み取り専用」カードとして、表示した金額を使い切ってしまえば捨てられるようにすることもできた。 だが、再ロード可能なマイクロプロセッサー内蔵の「プログラム可能」なカードとし、かなり長期間(予測されていた通常の持続期間は二年)使うようにしてもよかった。
チップ・カードについては、Iが早くも一九七〇年にパテントを取っていた。 Iで一時、成長プラン担当だったジエリー・スピガルズは、「磁気帯は第二次大戦の技術だ」と言っている。
実際のところ、磁気帯は本質的に安全性に欠ける。 この事実が、カード所有者の損失を最大五〇ドルまでとする議会の決定の陰に隠れたため、カード発行者の側はシステムを守ろうと躍起になったのだ。
小切手詐欺については、銀行は統一商法の手続き条項によって守られており、毎年三〇億ドルに及ぶ小切手詐欺の被害額のうち八億ドルしか弁償していないから、小切手の方はあまり気にしない。 だがクレジットカード詐欺は、忌み嫌うのである。
最初に市場に出たチップ・カード(フランス語では「カルト・ア・メモワール」)は、一九七四年フランスで、当時二九歳のジャーナリストで独学の何でも屋のロラン・C・モレノが開発し、売り出した。 彼は、磁気帯に取って代わる物として、というより、チップに記録したパスワードはコピーできないから、それよりずっと安全な物としてこのカードを考えついた。
お客のデータと取引のデータを記録する電子レジスター、それに一日の終わりに銀行に全取引を報告する通信手段も併せれば、カルト・ア・メモワールは販売の現場で小切手に取って代わると見られた。 これはフランスにとって重要なことだった。

フランスでは小切手の処理代が高いのに、一九七〇年代には年を追って小切手が増えていたからだ。 事実、フランス人は年間の口座当たりの小切手発行枚数が、米国(二三四枚)を除いて一番多い(一九九三年で八表)。
モレノは、マイクロチップ・カードなら大手銀行とサービス競争ができるし、窓口コストも減り、客への対応も柔軟性が増すと、フランスの中小銀行をいくつか説得した。 だが彼の成果で一番重要なのは、PTT(郵便・通信省)にカードを売り込んだことだ。
PTTはビデオテックスの完成間近であり、また近い将来、すべての家庭にフランス製のディスプレーとキーボード付きのミニテルの端末を置き、家に居ながらにしてPTTの送るさまざまなデータ・ベース(最初は電話帳から)にアクセスできるプロジェクトに取り掛かっていた。 (フランスでは電話帳のトラブルがひどい。
一九七〇年代後半にパリを訪れた時、自分の会う予定の人物の電話番号が電話帳でどうしても見つからなかった。 結局友人を介してようやく見つけたのだが、そこで私はその人物に、電話帳に番号が出ていないと不平を言った。
「もちろん、電話帳に載ってますよ。 会社なんだから」彼はそう言うとその場を離れ、電話帳で自分の名前を探し、戻ってきた。
そして「おかしいなあ、載っているアルファベット順になっていないんです」と言ったのだ)。 けど、顧客にシステムへのアクセスを与える安全な装置として、また個人記録を保管する道具としてモレノのスマート・カードを手に入れたPTTは、通信販売やホーム・バンキング、飛行機の切符予約、電子メールなどのサービスをミニテルが提供できるようにする計画を、さらに加速させることができた(一九六六年、EUの支払いシステム作業グループが、価値貯蔵カードの提供は銀行だけに許可すべきだと公言していた頃、PTTは三億枚の、読み取り専用の使い捨てスマート・カードを発行していた)。
PTTを取り込んでしまえば、モレノが当時のCIIHハネウエルHプル社(現在は、米国の提携相手が倒産してしまい、元のプル社に戻っている)の関心を引き出すのは簡単だった。 一九七六年、プル社はモレノの特許の使用権を得て、何と言っても重要なのだが、そのメモリー・チップにマイクロプロセッサーを付加する独自のパテントも取った。
いわゆる、「八〇年代用ポータブル・コンピューター」を作るためだ。 私が一九人三年に「フォーチユン」誌に、スマート・カードについて初めて記事を書いた頃、スマート・カードをキャッシュカードとして、商店やショッピング・センターで小切手の代わりに使うフランスの実験が、リヨン、ブロワ、カンの三市で行われていた(消費者は三日分のフロートを得る)。

スマート・カードはすでに、Z・エレクトリック社の試験プログラムの一環でガソリンスタンドで使われていたし、バージニアのフォートリーにある国防省の施設ではIDカードとして、またミネアポリスのJ・C・ペニーとファースト・バンク・システムズの行った実験では二〇〇戸の農家に、ミニテルの端末によるホーム・バンキング・プログラムは本当に安全と納得させる装置として使われた。 未来はほとんど手の届くところにあった。
フェニックスのバレー・ナショナル・バンクのシステム研究・開発部門の部長、P・フインチは、プロトタイプのカードを一枚、自分の財布から取り出すと机の上に投げ出し、「五年も立てば、こうしたカードの一枚ぐらいは誰でも持つようになる」と言つてのけた。 一九八七年にブル社の米国子会社の役員に就任したJ・ハパードは当時を回想して、自分もそのシステム運営に携わった七〇人のうちの一人だったと言う。
九六年の今は、たった五人しかいない。 スマート・カードは、今のところ一二世紀のポータブル・コンピューターなのだ。
だがその時代は必ず来る。 現在、約五〇〇〇万枚の書き換え可能なスマート・カードが消費者の手元に、うち三〇〇〇万枚はフランスで使われており、同国の銀行カードはすべて、プログラム可能なチップを内蔵している。
フランスのカードはまだオフラインの器具で、買い物の記録は毎晩、商店のレジから取引先の銀行によって電子的に回収され、その当日に商店には代金が振り込まれ、消費者の口座からは三日後に引き落とされるので、消費者のフロートは守られることになる。 ほとんどの地域で、スマート・カードは、特に安全で機能が高いクレジットカードとしてではなく、価値貯蔵カードとして親しまれてきている。
ノルウェーの銀行はブル・カードを一〇〇万枚以上、発行している(この浸透度を米国の人口比に直せば六〇〇〇万枚になる)。 デンマークは、消費者に便利な機能が一番豊富な、現地ではダンモントと呼ばれているチップカードの生まれ故郷で、Vが米国向けの使用権利を取得している。

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